続・わたくしの宝もの73_能代潟関
どうも角界が騒がしいようね。
両国国技館には確か3度ほど行ったことがあるし、千代の富士関とはプールでよくお会いしていたこともあってそこそこ、大相撲には親しみがあります。
でもその根っこにあるのは、幼いころの出来事。
福井巡業の宿舎として我が家の一部屋を提供していたのです。
確か毎年、春ごろだったかしら。3月場所が終わったあとにおいでなさいます。
貸し出したのは我が家の大広間。
想像に難くないと思うけど、皆さんよく召し上がりましたよ。
大きなおひつを3つ、4つと運ぶんですから。
でもね、お酒のむちゃな飲み方はしないのよ。暴れていた方なんて記憶にないわ。
もちろん巡業も見にいきました。取り組みの迫力はそれはもう、すごかったですよ。
町は大人も子どももお祭り騒ぎで大変な盛り上がりでした。
いらしたお相撲さんで覚えているのは、能代潟関です。
四股名からいって秋田の方だったのかしらね。横綱だか大関だか。
背が高くて良い男だって皆がいっていた覚えがあるけれど、子どもだったからよく分かりません。確か巡業中に東京から奥さまがいらっしゃっていました。小柄で細い方。
身の回りのことはお付きの方がやるからなのか分からないけれど、毎度、巡業が終わる前にお帰りになっていました。
そうそう。お風呂場をのぞいたことがあるのだけれど、番付の上の人たちはただ、立っているだけなのね。手を広げて、背中から何から全部洗ってもらうの。
子どもながら唖然として見ていました。
今現在、我が家の近くに相撲部屋があります。
年末になると餅つきがあって、いろいろと振舞ってくれます。
地元に溶け込もう、還元しようとしてくれてとてもありがたく思っています。
《小さな身体で投げ飛ばす 大迫力のはっけよい》

びん付け油の香りって独特ね
H30.10.15号より