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続・わたくしの宝もの76_光子さん

過日の北海道胆振東部地震には胸を痛めました。

これから本格的に寒くなってきますから、皆さんの心持ちはいかがかと推し量るしかできず、もどかしい限りです。


北海道では紋別に特別な思いがあります。友人の光子さんがいらしたからです。

光子さんは樺太から引き揚げてきた方で、わたくしより1つか2つ上のお姉さん。

お子さん3人を育てるために海岸のすぐ近くで玩具店を始めました。

カニを売りに来たロシアの方がたくさんいらして玩具を根こそぎ買っていってくれると喜んでいましたね。


紋別は流氷が接岸するくらい冬はとても寒いところ。

季節の良いときにしか商売ができません。

それでも戸板にたくさん玩具を並べて必死の思いでご商売をされて、3人のお子さんすべてを大学まで出されました。


わたくしが最初に紋別へ訪れたときは延々と汽車で向かいました。

お魚の町でとっても良いところ。

やがて飛行機が飛ぶようになると、その汽車も廃線となって、時の流れを感じましたね。


残念ながら光子さんは数年前に他界されました。

わたくしは飛行機で紋別へと向かい、手を合わせて参りました。

わたくしと同じくコロンとした体形で、お話しする前から親しみを感じさせてくれた光子さん。気持ちが良くて、働き者で。


友人として巡り合えたことを本当に嬉しく、ありがたく思っています。




《押し寄せる 深い悲しみ 流氷のごとく》

今日も新聞に目を通します

H30.12.3号より


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