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わたくしの宝もの 番外編 ①保母さんへの道


前回までに連載5回を数え、ご好評いただいています「わたくしの宝もの」。

今回はちょっと一息入れまして、会長の人生を紐解く「番外編」を2回に渡ってお送りします。

 

私は7人兄妹の2番目。幼稚園を出てから福井の女学校に通ったの。

ずっと習っていたお琴の先生になるのかなと思いながら、卒業後はお針とお花の学校に1年。

いわゆる花嫁修業なんだけれど、そこがどうにもこうにもつまらなくて。

だから手に職を持たないと、って一念発起して幼稚園の先生になろうと決めたの。

両親に頭を下げて丁寧にお願いして、東京に出してもらったのよ。

保母の養成所は品川にあってね。勉強しに日比谷図書館によく通いました。

真面目に過ごしていたと思うけど、新橋から図書館までタクシーに乗ったとき、

「学生のくせに贅沢すぎる」なんて運転手さんに怒られたこともあったっけ。

近距離だから今考えたら当然ね。

そういえば、友人のいいなづけが美術学校の生徒さんで、

「女性だけで行かれないところに連れてってあげる」なんて誘われて

銀座のバーに行ったこともあったのよ。

背中が大きく開いたドレスを着たきれいな女の人に見つめられて、田舎娘はたいそう驚かされたわ。

冷たくておいしいわ。みなさまもいかがかしら?

H27.03.16号より


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