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続・わたくしの宝もの 3_初春のにほい
まだまだ冷えますが立春も過ぎ、春の足音が近付いていますね。
今回はそんな春先の思い出について振り返ろうと思います。
雪が解け始めるころ、
小さなカゴを持って近くの野原に「ヨメナ」を摘みにいくのが毎年の恒例行事なのよ。
若い方はあまりご存じないかもしれないけれど、春菊のような香りがする山菜でね、
うちでは、切干大根と和えておひたしにして頂きます。
わたくしが作って食卓に出すと、父も母もおいしいおいしい、って食べてくれました。
お雛祭りの一品にもしたわね。
あと、ツクシンボウも良く頂いたわ。ハカマを取って甘辛く炊くの。
え? イナゴ? イナゴはね、田舎の伯母さんが持ってきてくれるの。
足をとって、これも甘辛く炊いてね。今思うと、なんとも野性的な食べ物だったわよね。
間もなくすると、菜の花が咲き、桜が咲いて、本格的な春が来るわけ。
ヨメナもツクシンボウも福井を出てから食べていないけれど、
摘み取ると春が来たっていうあの感覚は心に深く染みついています。
<ヨメナにツクシ嗚呼初春のにほいかな>

今日のおやつは大好きな小桜のかりんとうです
H28.02.22号より