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続・わたくしの宝もの 12_時計すり替え事件


時の経つのは早いわね。

昨日(8月21日)、めでたく100歳になりました。

わたくしには、40年ほど前から連れ添っている大切な腕時計があります。

娘がヨーロッパで買ってきてくれた、この金色のオメガです。

いつだったかしら、ある時、修繕に出したときのこと。

町の時計屋さんに頼んだのだけれど、戻ってきたらなんだか違和感があるの。

大きさも色も同じようなんだけど、ちょっと字が違って、確かねえ、「ナショナル」とか、なんとかって書いてあったの。日本の時計とすり替えられちゃったのよ。

あわてて時計屋さんに駆けこんだら、先方もびっくりなさって、平謝りよ。

わたくしのオメガを持って帰った方は、同じ大きさだっから気付かなかったのか、

気づいても黙っていたのか分からないけれど、音沙汰が無かったんですって。

てんやわんやでわたくしの元へ戻ってきたこのオメガ。

素敵なんだけれど、手巻きなのが難点なのね。気づくといつも止まっているから社員に声をかけてネジを巻いてもらっているの。

この顛末を社員に話したら、「ナショナル」なんていう時計はないって笑うのよ。

確かにそう書いてあったと思ったんだけれど、娘に確認したら「セイコー」だったんですって。わたくしはそちら方面にはトンと疎いから大目に見てもらえると助かるんですけれど。

《ただいまと言った気がする 我が相棒》

おせんべい、おいしいわ

H28.08.22号より


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