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続・わたくしの宝もの 19_メリーさんの行方


日に日に肌寒くなってきました。

年末商戦も刻一刻と近付いてきます。しっかり栄養を取って体調を整えて参りましょう。

わたくしは先ほど、力うどんを食べました。大きなおもち2個入りよ。

会社のみんなからは「気を付けて」と言われたけれど、大丈夫、大丈夫。力うどんが大好きなんです。

さてさて、前回の続きだったわよね。逃げ出したメリーさんのおはなし。

わたくしたちは手分けしてあちこち巡って、行方を探りました。

だけれど見つからなくて疲れきっていたその時、ちょっと離れた地域の小学校にいるんじゃないかと伝え聞きました。

小学校に着いてみると、なんとまあ、子ヤギがたくさんいるではありませんか。

今でもそうだと思うけれど、教育のために動物を飼っているのよね。

何匹もヤギがいて、皆同じ顔で、はてさて困りました。印を付けていたわけじゃないし、じっと見比べてもどれがメリーだか判別できないんだもの。

そこで思いついたわ。

名前を呼んでみようって。かしこい子だからきっと答えてくれるって。

一息ついてから集団に向かって「メリー」って呼びかけたの。

そうしたらヤギたちは一斉に「メェーーー」って声高に鳴いたのよ。

間もなく「メェメェ、メェメェ」、みんな気持ちよさそうに会話を始めたの。

呼びかけたら答えるのはうちのメリーだけじゃなかった。反射だったのね。

がっかりしたけれど、笑いも止まらなかったわ。

そのあとどうやってメリーを連れ帰ったかはくわしく覚えていないんだけれど、

しばらく一緒に暮らして、どういうわけだか老人クラブに差し上げることになりました。

まだまだ日本の生活に慣れていない頃の麗しいおはなしよ。

《青い空 高く響いたヤギの声》

ひ孫には何をあげようかしら

H28.11.21号より


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