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続・わたくしの宝もの 25_冬の特産物


昨年末に福井の親戚から水仙の贈り物がありました。

水仙は福井の特産物で、県の花でもあります。

国体が開催された時には選手が水仙を手に持って入場したこともあったのよ。

箱を開けたら品の良い香りがあふれ出て、幸せな気分になりました。

香りが昔の記憶を蘇らせてくれるって本当ね。一瞬にして故郷に連れて行ってくれました。

小さくて可憐で真っ白で、まさに冬の花って感じでしょう?

寒さに耐えて咲きました、って伝わってくるたたずまいよね。

女学校では生け花を習っていたから、実家ではわたくしが水仙を床の間に生けました。

両親がたいそう喜んでくれて、誇らしく思ったものです。

わたくしの流派は池坊なのだけれど、水仙を生けるのは案外難しいのよ。

根っこの白い袴を取りはずしてから丈を短くして、またその袴をはかせてから生けるの。

ごそっとまとめるのではなくて、5本とか7本とかを楚々とした感じにね。

「華やか」よりは「しとやか」なイメージなのよ。

お稽古ごとはね、この生け花のほかに以前おはなししたお琴も習っていました。

ただひとつ、茶道だけはどうにも向いていなかったの。

歩くのに畳の縁を踏んではいけないとか、いろいろと面倒に感じたのよね。

お稽古ごとの最中にお菓子を頂けるのはとても魅力的だったのだけれど。

《かわいくて強くて可憐 福井の水仙》

良い香りよ

H29.02.06号より


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