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続・わたくしの宝もの 27_226事件
この時期になると毎年、思い出すのは226事件のこと。
聞いたところによると教科書に載っていて、
若い子たちは史実として勉強しているそうだけれど、わたくしにとっては歴史ではなく、実体験なのです。
あの日、朝はお天気だったからフェルトの草履で学校に向かったのに
帰りは足が埋まるぐらい大雪になっちゃったの。
電車が止まってしまったから、学校のある大井町から下宿していた戸越公園駅まで、
袴を膝上までめくり上げて草履を手に持って、足袋姿で雪道を歩いて帰りました。
本当に雪がすごかったからそのせいで電車が止まったのかと思っていたのよ。
そうしたら夕方になって初めて分かったの。
そういう大きな事件があったから電車が止まったんだって。
当時はテレビなんてなかったから、ラジオで聞いたんじゃないかしら。
朝日新聞が襲われて、印刷に使う活字が全部ひっくり返されたと聞いたのが最初だったと思うわ。
以前おはなししたけれど、わたくしの兄が赤坂三連隊にいたでしょう。
福井の実家では情報が交錯していたから、謀反を起こしたのが赤坂三連隊(実際は近衛三連隊ら)だってことになって伝わっていて、大変なことになったと大騒ぎしたそうよ。
事件の後しばらく乗り物も順調じゃなかったわね。学校も3~4日はお休みになったはず。
生活が変わることはなかったけれど本当に大変な事件でした。
今でもはっきり覚えています。強烈な事件でした。
《福井では 勘違いで大騒ぎ 忘れられない大雪の日 》

実家は大変な騒ぎになったのよ
H29.02.20号より