続・わたくしの宝もの 60_101歳の珈琲デビュー


会社で新聞をめくっていると時たま、

「ゴゴゴゴゴォ」と大きな音がするから何事かと思っていました。

だけれどあまり気にするタチでもないから特に誰かに聞くまでもなくて。変わらず過ごしていたらこの間、「会長、コーヒーいかがですか?」と声がかかりました。

わたくしは正直なところ、コーヒーがあまり得意ではないのです。

子どもの頃はなかった飲み物でしょう。だから馴染みがありません。

もっぱら食事のときに頂くのは、ほうじ茶。休憩は緑茶、さもなくば紅茶です。

いつもの調子なら「いいえ」と断っているのだけれど、

あの時はなぜだか、飲んでみようという気になって一杯、お願いしてみました。

するとまた、あの「ゴゴゴゴゴォ」という大きな音がするではありませんか。

聞けば、何やら新型のコーヒーメーカーの音なのだそうです。

そういえば昨年末、

信金さんの忘年会の余興で行われた抽選会で社員が当てたものでした。

わたくしは「自宅に持って帰りなさい」と言ったのだけれど、

会社で使いましょうと提案してくれたのをすっかり忘れていたのです。

入れてくれたコーヒーはすでに茶色になっていて、牛乳が入っているようでした。

一口、二口。あら甘い。お砂糖も入っているようです。はい、三口。

「あれ?会長。コーヒーお好きだったんですね」。

社員の声が響いたときにはすっかり飲み干していました。

わたくしの知っているコーヒーとはちょっと違うのかしら。

それともたまに飲んだからおいしかったのかしら。

この間、外食時にコーヒーを勧められたから、お言葉に甘えると、

横文字のカフェ何とかという甘い飲み物が出てきて、

やっぱりそれも一気に飲み干してしまいました。

「会長、コーヒーデビューですね」なんて言われてしまったわ。

おかわりを勧めてくれたけれど、一杯でもう結構よ。

《ようやく到達 渋みの分かる年齢に》

H30.4.09号より


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