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続・わたくしの宝もの 65_マルサといえば


この前、おやつでワッフルを頂きました。

食べ進むうちに、なんだか似たような味を子どもの頃に食べたような気がしてきました。

水分が少なくて、ひどく甘くなくて、だけれどおいしいもの。

そう、マルサのパン屋さんのあの味です。

マルサのパン屋さんというのは、わたくしの通った福井の旭小学校の門前にあった商店です。「サ」の字を丸で囲った屋号だったから、佐藤さんとか佐々木さんとかおっしゃるのかしらね。当時は疑問にも思わなくてお尋ねすることもなかったけれど。

ジャムパンに、アンパンにクリームパン。

ジャムパンのジャムには粒々のイチゴの種が入っていたわ。クリームパンは確か、指のような格好をしてた。

製造直売だから、出来たてホッカホカよ。店内はあたたかくてとってもいい匂いがするの。特別安いわけではないけれど、その匂いとおいしさに惹かれて、お昼時には、小学校の生徒でいっぱいになります。

そういえば以前、

お昼にパンが食べたいからって、わざとお弁当を忘れた話もしましたね。

パンの日はクラスの皆に自慢できるの。

「ほら、見て見て。わたしはパンを食べているのよ」って。

当時、家の食事でパンを食べることはないし、ましてや作ってみるなんてことはありませんでした。父に至ってはそんな洒落たもの、といって口にしません。料理屋ですもの、家には食材がたくさんあるでしょう。

だからお金を出してパンを買うなんて贅沢でけしからん、ということなのよね。

こんな話をしていたらパンが食べたくなってきました。

たまにはお弁当を忘れてみようかしら。

《ジャムパンも娘時代も 甘酸っぱくて》

髪の毛が伸びました。

そろそろ髪結いさんに行かないとね

H30.6.25号より


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