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続・わたくしの宝もの 66_ぬいぐるみの話
ぬいぐるみを頂きました。とってもかわいいでしょう?
作る人の心でしょうね。作品に現れるのでしょうね。
わたくしが子どもの頃はこんなに可愛らしいものはありませんでした。
妹たちがクマのぬいぐるみを持っていたけれど、顔はみな一緒。
触り心地も硬くって、確か中にはおがくずのようなものが入っていたと思います。
手作りしたこと? 女学校の時分にありますよ。
いたずらに作ってみたけれど、難しくてね。
裁断した生地を縫ったら、びっくりするくらい可愛らしくないのができあがりました。
心を込めていなかったからかしら。
ぬいぐるみは子どもたちの成長を見守る大切な宝もの。
手垢で真っ黒だったり、はたまた洗濯のし過ぎで顔がくしゃくしゃになっているのを見かけると、いい友人に巡り合ったのだなあとうれしくなります。
お子さんはよくぬいぐるみとおしゃべりをしているでしょう?
あれは本当に会話をしているのですよ。わたくしは保母だったから分かります。
幼い時だけ魔法がかかるのです。
このクマちゃん、なんともいえないあどけない顔をしていますね。
作って下さった方の気持ちの美しさが伝わってくるから、いただく側もその気持ちで受け取らなきゃいけません。
もうこの年になったから魔法は解けて話は通じないけれど、心を通わせることはできます。うちの子になると言っています。何と名付けようかしら。
さあ、いっしょに帰りましょう。
《チクチクチク 気付けば真夜中 たま結び》

家族が一人増えました
H30.7.9号より