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続・わたくしの宝もの71_兄の習いごと
以前からお話しているとおり、わたくしはお琴を習っておりました。
お稽古からなんとか逃げようとしていろいろ企んでもいましたね。
嫌だ嫌だ、といっていたけれど、こうして皆さんにお話しできるのだから、
人生、経験していて損なことはないなあと思います。
さて、わたくしがお琴を習っているとき、兄は明笛(みんてき)を習っていました。
見聞きしたことないかしら?
会社の皆に聞いても知らないっていうのよね。
明笛とは、竹で出来た笛のことです。割に細くて、ピーッと高い音がでます。
わたくしも吹いてみたけれど、あれは呼吸が苦しくて、もう全然。
穴が5つか6つ、空いているのだけれど、押さえるのが大変なのです。
難しいものだから、あまりやる人もいなかったし、やっていても男の人のグループだったわね。女の子はやらない楽器なんだと思います。
吹く楽器といえば、尺八もたまげます。
フーと吹いても全く音がでない。穴も大きいし、火吹き竹のように空気が抜けちゃうの。
演奏会ではわたくしのお琴に合わせて福井駅の駅員さんたちが尺八を合わせてくれたのだけれど、それはもう、ご立派のひとことです。
兄は明笛が得意だったようで、いつもいつも練習していました。
勉強もそっちのけで音楽ばかり。確かハモニカもグループで演奏していた気がします。
そんな音楽三昧の兄でしたが学校を卒業すると見事、近衛兵になりました。
兄のことを思い出す時、あの高いピーッという笛の音が遠くから聞こえてくるかのようで心がほんのりと温かくなります。
《真っすぐな 調べが導く エリート街道》

おかげさまで先月、
102歳を迎えました
H30.9.10号より